、目瞑って」
「や…やだ」



今日は久しぶりに部活がオフだったので、折角だからとが前から見たがっていた映画を見に行ってきた。
まぁそれはいわゆる恋愛映画という部類に入るもので、あらゆる困難が恋人たちを引き裂こうとする、ありがちなものだった。
とりあえずそれは置いておいて、恋愛映画ということはそれなりに濃密なシーンもあるわけで。年頃の健全な男子としては触発されない訳はなくて。


「何、は俺とキスしたくないの」
「そういうこと聞くなっ!!」


俺たちは今、人通りの少ない道で立ち止まっている。時間も時間だ、多くの家庭は今頃夕飯時だろう。

と付き合い始めて、もう3ヶ月経つか経たないかの頃になった。普通の恋人たちがどのくらいの早さで進むのかは分からないけれど、いくらなんでもまだキスもしてないとなると、俺の我慢も限界に近い。


「目、瞑れ」
「や、たか、や」


そっとの目元に手をやり視界を遮ると、俺はつやつやした桃色の唇にキスを落とした。
さぁ、この手を離したとき、こいつはどんな顔をするだろう。



もっと近付きたい、触りたい