「渋沢の手は大きいねぇ」


彼女はそう言うと俺の手を取り、自分の手と重ね合わせた。

「ほら、私の手なんか比べ物にならないくらい」

ちょっとむっとして言うを見て、俺はそうだな、と笑って頭を軽く撫でる。はそのままあー、だかうー、だかよく分からない声を上げて俺の胸に頭を寄せた。


「……こんな大きい手だったらどんなボールもとれるよね」
「それはどうかな」
「私よりサッカーを選ぶならそれなりに頑張ってもらわないと」
「はは、ごめんごめん」

俺はの手とまだ合わさったままの自分の手をぎゅ、と握る。それと同時にはがば、と寄せていた頭を離して俺の顔を見た。

「かっちゃん!」
「……俺はサッカーだぞ」


を国立に連れてって!」


どうか勇気をこの手に
(…)(何?)(今度の試合終わったら一緒に買い物でもどうか?)