「望ちゃん、楊ゼンは!?」
「……、」

金鰲島との戦いが始まって、崑崙内は不安と焦りに染まっていた。

「、王天君の宝貝にやられておった。今雲中子に見てもらっておる」
「……っ、」

戦争が始まって、沢山の犠牲がでた。
当たり前だ。被害のない戦争なんて存在しない。でも、

「……望ちゃん、戦争は嫌だよ」
「、ああ、」
「皆が傷付くのは見てられない」
「…ああ、」
「こわいよ、望ちゃん」

本当はわかってる。誰が一番辛く悲しく漠然とした不安を抱えてるか、なんて、そんなの、

「望ちゃんだって、そうでしょ……?」

こんな時にわがまま言ってごめん、本当にごめん。でも、傷つくのは耐えられない。望ちゃんが、これ以上の痛みを抱えるのは、見たくない。

「……、」

ぽす、と望ちゃんの頭が私の肩に乗せられた。

「あと少し、こうさせてくれぬか?」
「………、うん、」


肩に掛かる全ての重圧
(あと少し、あと少しで全てが、)