朝ちょっと眩暈がした時におとなしく休んでればよかった。

白い天井を見ながらもんもんと考える。
体育の授業中、視界がぐらっとしたと思ったらいつの間にか保健室へ運ばれていた。
保健の先生は、熱があるからお家の人に迎えに来てもらいましょう、と電話をかけに職員室へ向かったまま戻ってこない。(先生おしゃべり好きだもんね!)

「暇だなー」
「そんなに暇かよ」
「!!」

ビクッとして恐る恐るドアの方を見るとそこには阿部が立っていた。

「うぁ、阿部、」
「うぁ、じゃねぇよ阿呆。自分の健康管理もしっかりできねぇのかお前は」
「ひ、ひどい……!」

阿部がひどいのはいつもだけど(この前栄口くんと語り合ったよ!)病人に、しかも彼女にそんなひどい口きかなくたっていいのに!
そのまま布団をかぶって拗ねていたら、ふと肩の辺りに重みを感じた。

「……あべー?」
「心配した」

もう俺の前で以外倒れたりすんな。阿部はそういうとそのまま黙ってしまった。
素直にそう言ってくれたらいいのに、なんて思いながら布団から顔を出して阿部を見る。

「何で阿部の前でだけなの?」
「……鈍感」

阿部は耳元で囁いて、そのままそっと唇を押し付けてきた。


どうしようもない独占欲
(他の男に運ばれたら嫌だろ)(大丈夫だよ?運んでくれたの体育の先生らしいし)(だからなぁ……!)