晴れ渡った空の下、久しぶりにお菓子を作ろうと思いたち普賢のところへ遊びにいくと普賢は不思議そうな顔をして「望ちゃんのとこにはもう会いにいったの?」と聞いてきた。
いや、望ちゃん今人間界だから。そう言うと普賢はくすくす笑って昨日から元始天尊さまのところへ帰ってきてるんだよ、と教えてくれた。
「早く言ってよ!」
手土産に持ってきた杏を普賢の手めがけて放り投げ、私は急いで走り出した。



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「望ちゃん!久しぶりだね!」
望ちゃんは今まで空に向けていた顔をこちらへ戻し、「おお、、」と笑みを浮かべた。
「ひどいじゃない、帰ってきたのに教えてくれないなんて」
「すまぬすまぬ、おぬしも色々忙しいと思ってな」
そう言うと望ちゃんは私の手をゆっくり掴んでひっぱり、ぎゅ、と私を抱き締めた。
「……望ちゃーん」
「たまに、おぬしのことを考えるのだ」
「?」
私は顔をあげて望ちゃんを見る。目が、あう。

「こんなに想っておるのに、どうして傍にいてやれぬのだろうな」
「…望、ちゃ」

「いつかこの計画が終わったら、その時は、」


いつか
(二人幸せに暮らそう)(絶対に離さない)