(新八の場合)

「わ、これさんが作ったんですか?」

新八くんは大きな目をさらに見開いて聞いてきた。
手には水色の包装紙に青のリボンでラッピングされたそれ。

「新八くんみたいに上手にできなくて、だから、不味いかもだけど、」

いつもありがとう、とぎこちなく微笑むと新八くんもふわりと目を細めて笑ってくれた。

「じゃあ僕からもさんに」

新八くんは小さな包みを私に渡して、みんなには内緒ですよ、とまたにっこり微笑んだ。

幸せはこの手の中に
(今度一緒に夕飯作りましょうか)(ぜ、ぜひ!)





(神楽の場合)

、これあげるネ」

神楽ちゃんはそう言って私に紙袋を渡してきた。
中身を覗くと、板チョコが数枚。きっとさっき出かけた時にでも酢昆布と一緒に買って来てくれたのだろう。

「市販のやつでごめんアル」

みたいに綺麗に作れなかったアルヨ、としょぼんとする神楽ちゃんに慌ててオレンジの包みを渡す。

「板チョコ好きだからすごく嬉しい、ありがとう神楽ちゃん」

そう笑うと神楽ちゃんはぱぁ、と明るく笑って、ばりばりと包みを破き中のチョコを食べ始めた。

「うまいアル!」

顔中にチョコをつけて笑う神楽ちゃんを見て来年も頑張ろう、と心に決めた。

おいしい、うれしい。
(今度姐御と3人でお菓子作るアル!)(え、あ、……考えとく!)





(銀時の場合)

「なァーちゃん、今日何の日か知ってるー?」

銀ちゃんはソファに寝転がってジャンプを読みながら、台所でお昼ご飯の支度をしている私に声をかける。
新八くんと神楽ちゃんにはたった今ねぎと塩をおつかいに行ってもらったばっかりで、私は銀ちゃんと二人きりというわけ、で。

ちゃんは愛しい恋人にチョコの1つもくれねェの?」

私ははぁ、と溜息をついて持っていた包丁をまな板の上に置き、戸棚に隠してあった包みを持ってソファへ向かって歩いていった。

「はい!……これで満足?」

ずい、とピンク色の包みを差し出すと銀ちゃんはサンキュ、と片方の手で包みを受け取って、もう片方の手で私の顎を掴みそのまま自分の唇を私の唇に押し付けた。

「うん、満足」

ごちそーさま、と言って銀ちゃんはまたジャンプを読み始めた。それが悔しくて仕方なくて、頭を一発ゴンとはたいてやったら銀ちゃんはいってぇ!と頭を抱えてソファから転げ落ちた。

チョコも君もいただきます
(この変態天パ!)(いいだろ別に!)


Today is so happy!